2022情報I 2学期
第17回 授業の振り返りより

質問より

シミュレーションとエミュレーションの違いは何ですか。
どちらも本物ではなく偽物ですが、本物の代わりに使えるのがエミュレーターで、本物を模したものがシミュレーターですね。パソコンでスマホ用アプリを作るとき、エミュレーターで動作確認をするのが一般的です。
授業はモデルですか?
モデル、ということは「何か本物があって、その特徴を抽出したものである」ということですよね。「本物」に当たるものはなんでしょうね。授業でよくあるパターンでいうと、先輩の先生の授業スタイルに後輩の先生の授業スタイルがそっくりなんて事があります。こういった場合は先輩の先生の授業スタイルが「モデル」となるわけですね。
水のような流体のシミュレーションがなぜコンピュータに負荷が大きいのか具体的な理由がわからなかったので気になりました。
鉄の球の動きをシミュレーションするのであれば、形の変化は配慮しなくて済みますよね。1個の物体として考えられます。水などの流体は何個ありますか?コンピュータはデジタルなので、数値で表さないと処理ができません。ある程度納得できる大きさの「水の粒」としてシミュレーションすることになるわけです。水の特性にあわせて形状が変化するためには、粒の大きさを小さくしたり、粒間の引力などを調整して粘度を設定したりして、すべての粒の動きを計算で出すことになります。たくさんの計算が必要ですから、負荷が大きいのです。
シミュレーションはいつから使われ始めたのですか?
コンピューターのシミュレーションはコンピュータができた頃からだと思います。そもそもコンピュータは弾道計算をするために軍事予算で作られたといわれています。砲弾がどう飛ぶかを計算でシミュレーションしたんですね。逆に、その時点で計算してシミュレーションすることがおこなわれていたわけです。
では、コンピュータを使わないシミュレーションはというと、測量が始まった頃にはシミュレーションがおこなわれていたと考えることができそうです。測量すれば数値で記録し、縮小モデルを書きますよね。モデルができたわけですから、その上で「どうなる?」と考えればシミュレーションですからね。そう考えると、古代エジプトからってことになりそうですね。
探求で地学や生物(まだそんなに決めてない)とシュミレーションの掛け合わせ的なものをやりたいのですが、どの程度まで作ることができますか?またどのぐらい大変ですか?
コンピュータでシミュレーションするには、数式モデルにできるかにかかってきます。地学や生物のようなアナログな事象を数式にするのはとても難しいと思います。物理や化学は理論から攻めるのでモデルが存在しますが、生物や地学は観察から攻めていくので、モデルは存在せず、データが多数集まることになります。そう考えると、生物や地学はシミュレーションで問題を解決するのではなく、データサイエンスで解決することが適切だと思います。大量のデータを集めてAIに喰わせてみるといった手法が良いかもしれません。
先日の模試での河合塾のような問題が共通テストに出題されるのですか?それとも先生のテストのような問題ですか?あと、河合塾の最後のアンケートに、情報のテストを選択するつもりですか?といった項目があったのですが、必修じゃないのですか?
先日実施したのは河合塾の「共通テストサンプル模試」ですから、共通テストはあんな問題だと思って下さい。私のテストは評価の目的から、教科書の理解を図るような問題を4割ほど出しています。共通テストにはほとんど出ない問題ですが、その知識を利用した問題が出題されるので、基本は重要です。
国立大学協会は令和7年度の共通テストで情報の受験を必須としています。皆さんの場合、国公立大学を目指すので情報は必須です。模試を受ける人には最初から私学を目指す人もいますから、共通テストで受けないことも選択できるのです。
先生はイニシャルD好きですか?(僕はたまにやります)あとフライトシミュレーションのwar thunderが気になってます。
イニシャルDはどこかで1巻だけ読みました。基本、漫画は読みません。あ、ゲームですね。やりません。シミュレーター専門です。フライトシミュレーターは20年ぐらい前に引退しました(笑)。
先生はよく壁に飾ってあるスポーツカーにどんな魅力を感じるのですか?
モータースポーツって人間ではできないことを、モノを使って人間が制御する戦いですよね。モノの側面と人の側面があります。どちらかというとモノに興味があります。モノは工学的で、多岐にわたる理論に基づいて最適解を探します。モノは物理法則に基づきますが、それを人間というアナログ機器が制御したり、コンピュータというデジタル機器が制御しているわけです。今のコンピュータがあふれる世の中と同じ構図があるんですね。モータースポーツってモノが良ければ速いと言われますが、モノが良くても人間が凄くないと速くないわけで、個人としてのスポーツの意味もありますが、モノを開発するところからスポーツが始まる、とても知的なスポーツだと思っています。
シミュレーション結果を表示しているのはCGではないんですか
授業でもお話ししましたよね。起こりうる計算結果を画像にしたシミュレーション画像と、クリエーターの想像で描いたCGとは根本が違うものです。シミュレーション結果のグラフィックはわかりやすく綺麗に作ると、クリエーター制作のCGだと言われて、起こりうるシミュレーションの結果だと理解してもらえないそうです。コンピュータで書いたグラフィックなのでCGと言えますが、CGクリエイターの人が実際に起こるかどうかわからないことを表現したアートのCGとは違うのです。
佐藤先生は環境モデル都市は何のモデルだと考えますか。
他の市のモデルとなるんですよね。実物モデルですね。低炭素社会に向けたさまざまな施策をおこなうとどうなるのかをシミュレーションしているわけです。

感想より

数学Iで仮定検説について学習しました。例題は、「商品が改良されたかというアンケートをとって20人中15人がはいと答えたが、本当に改良されたのか述べよ」という問題で、公正なコインで表裏を20回出すシミュレーションの結果が書いてあり、それを使って答えるものでした。公正なコインなので、表裏どちらも2分の1の確率で出ます。本当に改良された、たまたま15人がはいと答えたさけで偶然である、という2つの仮定のうち、後者について検討していきます。後者について検討していくとき、20人中15人がはいと答えたのが偶然であり、コインであれば20回中15回表が出たことと同じと考えるのはモデル化に近いと思いました。モデル化をし、簡単に出来る公正なコインでのシミュレーションにしているのだと思いました。
何かに置き換えて考えるってモデル化の考え方ですよね。数学Ⅰで仮説検定やっているんですね。では、情報でも3学期に活用できそうですね。
モデルはシミュレーションをするためにあると言っていたが、「映画のモデルになった町」等の「モデル」は特にシミュレーションをするようには思えないので間違った使い方なのだろうかと気になった。シミュレーションというと実験のようなものを想像してしまうけれど、ミニカーを走らせるように「こうしたらどうなるかな」と考えて試してみることがシミュレーションだと聞いて意外と普段からやっていることなのだなと感じた。
モデルは本物を単純化した、本物の要素を要素をいくつか持ったものです。典型例といってもいいでしょう。「もしこの町で」「こんなことが起きたらどうなる」というのが映画ですから、その町がモデル、映画自体がシミュレーション結果ということになりますよね。
「モデル」と聞くとすごくスタイルの良いファッションモデルが一番に思い浮かびましたが、本来「モデル」とは本物の特徴を単純化しているものだと知り驚きました。今は、スマホのアプリを使えば、自分の顔写真で色々な髪色やメイク、服やネイルなどを試せるので、自分自身が「モデル」となってシミュレーションをすることもできると思いました。
その通りです。そのときに使っているアプリがシミュレーションソフトということなんです。実際にやる前に、自分に模して試しているんですから、立派なモデル化とシミュレーションですね。
モデル化することによって視覚的にもわかりやすくなるし、シミュレーションもできるようになるから便利だと思った。授業開始時にモデルと聞いて思いつくものを入力するときに私は環境モデル都市と回答したが何を単純化しているどんなモデルなのかを考えてみた。環境モデル都市は「低炭素社会」のモデルで、ある特定の分野においての二酸化炭素の排出削減の工夫をしているモデルだと思う。これによって、ほかの地域でも同じように二酸化炭素の排出を削減するための工夫をしようと思ったときにどうなるのかの見本となっているのだと思う。
そうですね。ある特定の条件で実際にやってみることをモデル(モデルケース)と呼びますが、そのやっている様がシミュレーションなんですね。シミュレーション結果としてわかったことは「見本」ということもできそうですね。
ファッションモデルは私たちから見ればファッションの見本となるものだから、モデルというよりも「本物」と言ったほうが正しいのではないかなと思った。むしろ雑誌などで見たファッションを再現した私たちのほうが「モデル」だと言えると思う。
いやいや、皆さんは本物なんです。モデルさんが身につけてシミュレーションしていると考えればいいのです。で、そのシミュレーション結果をあなたが参考にしているということは、あなた自身は本物なんです。
電車に疎いので山手線は本当に円のような形をしているのかと思っていたが、モデル化されたものだと知って驚いた。
疎くても地図ぐらい見ておいてくださいね。都民なんですから(笑)。
物理モデル、図的モデルは身の回りの例がすぐに思いついたが数式モデルとは具体的にどのようなものかいまいちイメージできなかった。
授業で説明した、1秒間で1cm水位が上がるプールの例のy=xが数式モデルです。この場合、時間の変化xしかありませんが、世の中の事象を、複数の変数を使ったり、複雑な計算をおこなう式を使うなどして、事象を数式で表したものが数式モデルです。
シミュレーションは生物の実験を最初からマウスでやるのでなく培養細胞などでやるのと似たような理由なのかなと思った。
実験の目的次第ですよね。行動分析なら培養細胞じゃできませんし、薬の効能なら培養細胞でもできるかもしれません。要は、モデルとして適切かどうかということですね。
モデルと聞いて思い浮かぶもので、私を含め「プラモデル」が多かったが、なんで「プラモデル」がこんなにも浸透しているのか疑問に思った。
私のような昭和のおじさんからすると、こんなにプラモデルを作ったことが無い高校生が多い方が驚きなんですけどね。女子向けのプラモデルもありましたし、模型屋さんってたくさんあったんですよ。
ふと思ったのだが、VOCALOIDなど合成音声もモデルの1種では無かろうか。
ボーカロイドは人間の発声の仕方をモデルとして音声を合成するんですよね。テキストや譜面に合わせて話したり、歌ったりして、元となる音声を提供した人が話したり歌ったりしたかのようにシミュレーションしているんです。
シュミレーションゲームが僕自身すごく好きで、今回の授業が結構楽しかったです。今、「cities skyline」と「forma horizon 5」と「the crew2」のどれを買うかで悩んでいます。~中略~自分的には、ニューヨークの街並みを完全に再現したゲームを作って欲しいです。あるにはあるんですが、完璧なのがないんです。あと10年くらいまでば出てくることを望んでます。
シミュレーションゲーム愛があふれてますね。今はGranTurismo専門ですが、昔はSimCityとかA列車で行こうなどの都市シミュレーション、MicroSoftのフライトシミュレータなどもやったことがあります。シミュレーションって自分が向上しないとうまくいかないのがいいところですよね。
「目的に応じて単純化するところが変わる」の例で路線図があったが、東京都交通局もまだ良い方だと思う。京王はさらに位置関係が削られている。(京王路線案内)
京王線の路線図は完全に見やすさ重視ですね。路線だけでなく列車の種別まで示しているので、位置関係まで入れるとわかりにくくなるからだと思います。
CGとシュミレーションは同じようなことだと思っていたけど、CGはアート、シュミレーションは計算式やプログラミングを使っているのだと理解できた。
飛行機の操縦訓練など本番で絶対失敗できないことのシミュレーションができるのはとてもいいなと思います。
「モデル」とついていないものでも、身のまわりにモデルの例はたくさんあると感じさせられた。分子モデルは拡大モデルではなく概念をモデル化しているものという考え方も納得だったし、見えないものを違和感なく形にしていることはよく考えたらすごいのではないかと思った。すべて計算式の結果で表された交通シミュレーションやコーンポタージュの粒のシミュレーションなど、すごすぎでは、、と思って思わずぽかーんとしながら聞いてしまった(こういうの作った人ってものすごく頭いいんだろうな…と思う癖が最近ついている気がする)。しかし、そのあとに部屋の配置のモデル化をやってみると、そんなに規模の大きい手の込んだものでなくていいんだなと改めて思うことができた。モデル化の本来の目的は大事なところだけを取り出して単純化することであるということを頭に入れておくべきだと感じた。「モ」デル化と「シ」ミュレーションで「模試」は上手すぎてしばらく感動していた。
もうすぐ引っ越しをするから図的モデルをうまく活用して家具を配置したいと思った。シュミレーションをするには、何が関わっているのかを考えることが大切だと思った。
モデルと言われても最初はあまり浮かばなかったが、単純化されたものは身近なところにたくさんあるとわかった。
モデルの種類は思っていたより多様性があるとわかった。身の回りにもモデルは多く存在していると思った
モデルを作る時はただ単純化すれば良いのではなく、見てわかりやすいかどうか、使うものによって合わせることが必要だとわかった。シミュレーション結果とCGでは、シミュレーションの結果を数字ではなく図などで出力したものがシミュレーション結果で、再現VTRのように人が1から創り出したものはCGであるという違いを理解した。
モデル化には大きく分けて「対象事物について理解しやすくすること」と「モデルを利用してシミュレーションを行うこと」の2つの意義があると思うが、基本的に前者の目的のためには抽象性や単純さが、後者の目的のためには具体性やリアルさが必要になるので、モデルの性質が自然と二極化するのが面白かった。(例えば人体構造のモデルを作るときに、生徒に分かりやすく伝えたいのであれば血管などは簡略化されたものを用意するし、手術のシミュレーションであれば細かい極力本物に寄せて作る)
化粧品のテスターも本物よりサイズは小さいけれど一番伝えたい性能の部分をピックアップしているからモデルの例として挙げられるなと思った。
目的があるからモデル化するということがわかりました。
来年の文化祭は教室のモデリングをパワポでやろうと誓った。
路線図など身の回りには多くのモデルがあることに気づいた。最初シミュレーションを見たときはCGだと思ったが説明を聞いてシミュレーションはCGではなく計算結果だとわかった。シミュレーションは危険なことや一回しか行えないことを練習できるのでとても便利なものだとわかった。

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